ロシアのシリア空爆でコメンテーターがなんやかんや言っているけど、正直、米ソ冷戦が未だに続いているだけの件
もうプーチン怖い…
ダース・シディアスやらダースベイダーやらのシスの暗黒卿が束になっても勝てないぐらいのオーラ…
この写真は、9/28 国連総会で「イスラム国壊滅のためにシリア空爆検討します」って宣言したやつなんだけど…
"イスラム国壊滅させる"俗にいう"正義の味方"なはずなのに、この暗黒面をチラつかせるOMOMUKI…
おそロシアそのものである。
そんなプーチンたんは10月に入ってすぐ「イスラム国壊滅させまーす」とシリア各地に空爆をしまくっているんですが…
それに対しオバマが怒り心頭だという…
米ロ首脳会談でオバマが「ちょっとイスラム国打倒に向けて協力していこうや」って言ってたんですが…
それに対してケチをつけるなんて、一般市民の観点からしてみると
『おれはオバマの要望に応じて空爆を始めたと思ったら、いつのまにか非難されていた』
的なポルナレフ状態…
でも、これは栄光のソ連時代の影響力と版図を広げようとするプーチンの強かな策略に対するアメリカの怒りである。
下の図は、冷戦の間「社会主義陣営(東側諸国)」と呼ばれた地域だ。
イスラエルを取り巻く地域は、反米一色であり、歴史的にも中東は親ソ(ロシア)だった。
だが、今…この地域①~④は今どうなっているだろうか?
④シリア内戦(継続中)
と… アメリカ軍の介入により、ことごとく政権が崩壊してるではないか!
さすがアメリカ様!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!
そこにシビれる!あこがれるゥ!
では、アメリカの侵蝕を細かく見てみよう
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[2003年~ ①]
イラク戦争(短時間でフルボッコ)
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オバマ「大量破壊兵器なかったわーwww まぁ反米サダム・フセインは倒したけど、占領政策上手くいかんな…西欧基準を根付かせるには時間かかるな」
↓
[2009年~ ②,③]
リーマンショック!原油価格暴落!
中国爆食!小麦価格高騰!
人口爆発!若年層失業率上昇加速!
↓
ムバラク大統領@エジプト「経済が崩壊してしまう… 外貨獲得しようにも、世界同時不況で観光客は来ないし、石油も暴落してるし、スエズ運河通行料だけではどうにもならん…」
「雇用の受け皿の農業も工業化されちゃって、若年層が職にあぶれてる…小麦も高騰してるし、このままでは民衆の不満が爆発するな…」
↓
[2010年~]
ジャスミン革命(ワープワ蜂起)@チェニジア
↓
エジプトに飛び火!エジプト革命!
↓
民衆「あのエジプトで革命が起こってるぞ!我々も蜂起だ!」
↓
\中東全土に飛び火/
\アラブの春/
↓
オバマ「中東の混乱抑えが効かないレベルやで、これに便乗して反米国家潰していきましょ!」
↓
オバマ「アメリカは"自由・民主主義・人権"を重んじてますー、民衆の味方ですー、軍事支援もしますよー、なんてたって正義の味方ですから」
「マスコミの皆さんそういうことなんで世論形成よろしくたのんまっせ」
↓
マスコミ「アラブの春で中東は民主主義に目覚めましたよ!きっかけはあなたたちも使ってるTwitterやFacebookです!アメリカ企業のソーシャルメディアが民主化を促進してるんです!ほんとに独裁政権は悪いやつなんです!世界平和のためにはアメリカが介入しないといけないんです!!あぁ、アメリカ製のものを使えば世界が変わりますよ!革新的な生活に乗り遅れないように買いましょう!」
↓
アメリカ軍 リビアへ軍事作戦展開
トマホークミサイル乱れ撃ち
↓
カダフィー死亡!@リビア
↓
オバマ「シリアのアサド政権はまだ生きとるな…こやつは、自国のタルトゥースにロシアの軍事基地を提供するぐらい新ロシアやで、しかも、反イスラエルでイランと共闘しとる」
「最近、イラク統治が失敗してイランに近寄っててヤバイ状況やってのに、ここでアサド政権を倒しておかんと、ユダヤちゃんの心象害しちゃって、大統領選で不利になってしまうで…」
↓
反アサド世論操作 & 反アサド組織(自由シリア軍)軍事援助
↓
シリア内戦混沌…
↓
[2013年~ ④]
ISIL(イスラム国)勢力拡大、シリア情勢泥沼化
↓
[2015~]
オバマ「あかん、泥沼や… "アサド政権 VS 自由シリア軍"の構図でさっさと決着付けたかったのに、イスラム国なんてようわからんの出てきてるし、難民ぎょうさん発生しとる… ちょっとロシアの協力も得るか…」
↓
オバマ「プーチンさんウクライナやらでなんやかんやあるけども、イスラム国打倒で協力していきましょ」
プーチン「いいよ!」
↓
ロシア イスラム国空爆と見せかけて、自由シリア軍をフルボッコ
↓
プーチン「ロシアはイスラム国を爆撃している。イスラム国殲滅のためにはアサド政権を支援する必要がある。アメリカはシリア内戦を長期化させるつもりか?」
↓
オバマ「ぐぬぬ…」
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ご覧のとおり、アメリカは冷戦の勝利を宣言した後、中東においても「民主化」という大義名分のもと、着々と親ロシア領域を塗り替えて行った。
只、唯一の超大国となったアメリカに対し、今までのロシアの国力では面と向かって太刀打ちできる状況ではなかったことは間違いない…
しかし、今までの
「自由と民主主義を守る正義の国アメリカ」VS「独裁政権」
といった流れから、今や
「アメリカ」VS「独裁政権」VS「イスラム原理主義国家」+「難民対処」
といった複雑な様相を呈している。
今までの、
独裁政権打倒
↓
西洋民主主義導入
↓
親米政権樹立
といった一連の流れが…「イスラム国」というイレギュラーの誕生で通用しなくなっている。
それに、「中国の軍事的台頭」により中東のみに専念できなくなってきたアメリカの懐事情もある。
アメリカの袋小路のシリア政策に「イスラム国空爆」という形で手を差し伸べ、ウクライナ問題やクリミア併合なども有耶無耶にする。
そして、米軍が身動きが取れない中、自由シリア軍を爆撃し、親ロシアのアサド政権を助ける。
アメリカの反対を押し切ってまで、徹底的な空爆を続けるってことは、ロシアに恐れがあることは間違いないだろう。
なんてたって、アメリカは親ロシア政権を次々と転覆し、次はシリアを標的に"民主化+独裁政権打倒"の波を北上させようとしている。
対策を打たないと第二のウクライナのようにロシア近郊の親ロシア独裁政権を転覆されかねない。
その中で、中東最後の砦がロシア軍の基地もあるシリアであり、シリアで民主化の波を止めることが急務なのだ。
プーチンは、民主化という民衆のルサンチマンを示すツールの北上を阻止し
そして、彼のカリスマ性と、ソ連時代の再興といったノスタルジーを呼び覚ますことによって、経済の成長に陰りが出ているロシアの政情を安定させる。
「アラブの春」や「オレンジ革命」と、民主化の建前で旧東側諸国は豊かな西側陣営に組み込まれていった。
プーチンは政情不安を抑えつつ、着々と版図を拡大(クリミア併合などなど)している…
プーチンは劣勢となっているロシア情勢の中で上手く立ちまわっているように思える。
でも、ロシア経済の打開策が見えない中では…それも"強かな悪あがき"かもしれないが…